胸郭出口症候群について
「胸郭出口症候群」というこの症状名を聞いて、
「ああ、胸郭出口症候群ね」とすぐに把握できた人は10人に1人いれば良い方だと思います。
胸郭出口症候群とはそれ程日本において「聞き慣れない」症状・疾患名だという事ができるのです。
では、「胸郭出口症候群」とは一体どういった疾患・症状なのか。例によって言葉を分解する所から始めてみます。
- 「胸郭」 : 胸の骨格全体を指す。「鎖骨」「胸骨」「肋骨」「胸椎」等からなる内蔵を包み込む殻。
- 「出口」 : 胸郭の中でも、鎖骨と第一肋骨の間にある隙間を指す。重要な血管、神経の通り道でもある。が、「狭い」
- 「症候群」 : 様々な症状を指す総称。
如何でしょうか?「胸郭」「出口」そして「症候群」の意味は上記の通りです。つまり、胸郭出口症候群とは
「胸郭出口の部位に何らかの原因を持つ事によって生じる様々な症状群全般」
という事になります。
多くの方が勘違いをされているのですが、「胸郭出口」の部位に主な症状が生まれるのではありません。
胸郭出口を通る神経や血管が関わる部位全体に症状が拡大していくのが胸郭出口症候群なのです。
その為、合同会社腰痛治療ナビに寄せられる胸郭出口症候群の相談には色々な症状が寄せられます。
- 首がだるい
- 首が重たい
- 肩全体が重たい
- 疲れが取れない
- 腕が思うように動かない
- 時々腕にピリッと痺れが走る
- 親指~中指付近がうまく使えない
このような「肩こり」とも「頸肩腕症候群」とも受け取れるような症状が非常に多く、「胸郭出口症候群とはこういう症状だ!」と断定できるものが殆ど見られないのが特徴です。
ですので、「胸郭出口症候群」を克服する為には、やはり「個人レベルでの胸郭出口症候群発症のプロセス」を明確にすることが求められます。
- なぜ、自分の胸郭出口は圧迫されているのか
- 圧迫の度合いはどのようなものなのか。
- 胸郭出口付近のどの筋肉がどのような状態になっているのか
- 胸郭出口付近の骨格の状態はどのようなものなのか
- 何を改める事で症状の改善が期待できるか
とにかく、現在の自分の身体を学び、同時に胸郭出口症候群という症状・疾患についてもしっかりと学ぶ事が大切です。
「胸郭出口症候群」とは症状の総称に過ぎません。大切な事は「自分の胸郭出口症候群のケース」について、徹底的に学ぶ事です。
それによって、原因が絞り込まれれば「具体的な症状名・因果関係」が見えてきますので、改めて最適な治療法を模索できるのです。
敵を知り、己を知らば百戦危うからず。
やはり、「胸郭出口症候群」についても、この言葉がピッタリ当てはまります。
胸郭出口症候群の原因を絞り込むと出てくる疾患・症状名
1.頚肋症候群
この「頚肋症候群」とは殆どの人には生じない「頚肋」という余分は変異骨が原因となって生じる胸郭出口症候群の際に名付けられます。
いわゆる「先天的」な胸郭出口症候群と言うわけです。
2.斜角筋症候群
この「斜角筋症候群」とは頚椎前面に走る3つの筋肉「前斜角筋」「中斜角筋」「小斜角筋」の過緊張による「コリ」が原因となって胸郭出口症候群が発症する場合に名付けられます。
筋肉による圧迫が原因となる点では「梨状筋症候群」に近い状態です。
胸郭出口症候群では非常に多い、代表的な原因の一つです。
3.肋鎖症候群
この「肋鎖症候群」とは、胸郭出口と呼ばれる鎖骨と第一肋骨の隙間が狭くなる事が原因となり、胸郭出口症候群が起こる場合の名称です。
「肋鎖」が狭くなる原因には「交通事故等の強い外圧」や「周辺筋の過緊張による膨大」といった事が多いです。
4.小胸筋症候群
この「小胸筋症候群」の場合は、圧迫部位が小胸筋の停止部付近となります。
小胸筋は肩甲骨の鳥口突起の先端部位まで伸びているのですが、その途中、胸郭出口を通った神経、血管がその真下を潜り抜けます。
この時に、何かしらの原因でもって小胸筋がコリ固まっており、肥大を起こしていた場合、真下を通る神経・血管を圧迫、胸郭出口症候群の症状が生じてしまうという事なのです。
胸郭出口症候群に関わる症状・疾患は非常に多い。
以上、幾つかの胸郭出口症候群に関わる疾患・症状について説明をしましたが、実際はもっと沢山の症状・疾患名が胸郭出口症候群には関わっていますし、個人レベルの発症プロセスで更に複雑になっていきます。
上記の4例はあくまで「代表的なケース」であるという前提で受け止めてください。

















